高田松原商業開発協同組合 様

モビタや太陽光などで「先行している陸前高田」という、モデルケースになるような存在になってもらいたいですね。

2017年4月27日、陸前高田市のかさ上げ地区の中心市街地に複合商業施設としてオープンした「アバッセたかた」。アバッセ代表法人の高田松原商業開発協同組合は、アバッセの前身となる商業施設「リプル」を運営していました。開業から丸10年経ったときに、東日本大震災による津波で被災。震災から半年後、高田松原商業開発協同組合の現在理事長を務める伊東孝さんをはじめとする、「高田のまちを復活させたい」という想いをもつ地域の有志たちが、アバッセたかた創設に向けて立ち上がりました。新しいまちづくりの核となる施設として、地元中心の事業者が出店する専門店街と、スーパー、衣料品店、ドラッグストアなどの大型専門店、さらに市立図書館が一体となり、アバッセたかたが誕生しました。

インタビュイー:アバッセたかた代表法人 高田松原商業開発協同組合 理事長の伊東孝さん(写真左)・事務局長の菅原香さん(写真右)

※菅原香さんは「リプル」が始まった当初からのメンバーで、現在もアバッセの運営に携わっています。

――アバッセたかたの名前の由来を教えてください

菅原さん:全国から670通の応募があった公募により決定されました。選考には市長や図書館関係者も加わり、最終的に「アバッセ」という名前が選ばれました。

「あばっせ」は地元の方言で「いっしょに行こう」といった、なじみがあって温かみのある言葉です。さらに、フランス語の「アバンセ(avance)」=「前へ進む」という意味と偶然重なり、意味合いもばっちりでした。

――アバッセたかたの運営をするうえで、大切にしていることはありますか?

伊東さん:アバッセでは、図書館、公園、商業施設など多様な場を活かして「人が自然と集まって、買い物や遊びを楽しみ、交流が生まれる」そういう賑わいの場を作り出せたらいいなと思っています。「何かいつもやっているな」というイメージをみなさんにもってもらえるような、そんな活気ある空間づくりを心がけています。

菅原さん:アバッセでは、年間で「4月の誕生祭」「お盆」「年末年始」の3大セールを各店の店長や従業員の人たちと声を合わせて作り込みをしています。

その他のイベントについては、地域の方々から「こんなことをやってみたい」という声に対し、アバッセのフリースペースを使ってもらって、私たちはサポートという立場で関わらせていただいています。自分たちだけではできないことばかりなので、これからもみなさんとコミュニケーションをとりながら協力してやっていけたらと思っています。

伊東さん:私は、ここに来たお客さんが笑顔いっぱいで買い物したり食べたり飲んだり、楽しそうに歩いていたり。そんな姿が見られたら「あぁ良いな、楽しいな」って思うんです。何かで賑わっている雰囲気を感じたり、喜んでいる姿を見るのが、私の一番の薬ですね!笑

――会社としてや、お二人自身が挑戦していることはありますか?

伊東さん:アバッセも含めて、まちなかにもっと賑わいが出るようなことはやっていかないといけないなと思っています。これからも新しいことに挑戦していかないと、という気持ちはあります。アバッセだけでなく周りの事業者と一緒に取り組めばもっともっと、人が集まってくるようなことができるんじゃないかなと思いますね。

菅原さん:人手が足りないとか、お店のなかでもどう賑わいを出すかなど、色んな問題が出てきます。それに対してできる範囲は小さいけれど、やっていかないといけないんですよね。実際それができているかどうかというと、できていない部分の方が大きいけれど、マニュアル化しながらやっていけたらと思っています。

――陸前高田市出身のお二人に、地域への想いを聞かせてください。

伊東さん:どうしても街のことになってしまうけど、こういう街をつくりましょう!と、賑わいのある街を想像しながらスタートして、それに近い形での街並みができてきたと思います。でも、人口減少で少し寂しいところもあるので、他からも人が来てもらって、賑わいが出てくるような、まちづくりができたらいいなと思っています。

菅原さん:お祭りや七夕などのイベントのとき、「ハレ」の日は大いに盛り上がるけど、普段は肩肘を張らずに一人ひとり思い思いに過ごせるような街になっていると、地域に住む人も穏やかに過ごせるのかなと思いますね。

――しみんエネルギーと契約いただいた経緯は??

伊東さん:専門店街の屋根に太陽光パネルをのせているのですが、その提案をいただいたのがきっかけですね。それと、図書館が市の公共施設ということもあり、契約させていいただきました。アバッセたかたの施設内では、専門店街と図書館が陸前高田しみんエネルギーと契約をしています。

――しみんエネルギーに期待していること、エールをお願いします

伊東さん:脱炭素先行地域に何度か挑戦して、今回やっと認定を受けることができて。それをはずみに、モビタや太陽光などで「先行している陸前高田」という、モデルケースになるような存在になってもらいたいですね。そういう意味でもしみんエネルギーさんには、もっともっと頑張ってもらって、行政や市民のみなさんとも一体となって進めていってもらいたいですね。

会社情報
陸前高田市高田町字館の沖303-1
TEL:0192-53-2111/ FAX:0192-53-1116
営業時間 9:00~19:00(定休日 元日)※個店により異なる。
アバッセたかたHP: https://abassetakata.jp/